大館市中心部から20分ほど車を走らせた曲田地区は、果樹園や田んぼ、畑が広がる風光明媚な農村地帯。
陽気な母さんの店はそんな曲田地区の中で、田んぼの真ん中に浮かぶ船のようなたたずまいを見せています。

約60人の農家の"母さん"たちが正会員として登録し、自分たちが生産したお米、野菜、果物を販売。手作りの漬物やお惣菜、調味料やジュースといった加工品も好評です。

その名のとおり、陽気でパワフルな農家の"母さん"たちが運営する農産物直売所。
今回は、代表取締役の石垣一子さんにお話を伺います。

創業は2000年。
立ち上げのきっかけは、「生産者の思いを消費者に伝え、消費者と交流しながら農村自体を売り込んでいきたい」という思いでした。

直売所の魅力は、生産者と消費者が直に交流できることです。

「スーパーには年間を通じて何でも置いているので、最近は、野菜の旬が分からない人も多いです。直売所で野菜の美味しい時期を知ってもらったり、食べ方の提案をしたり、農産物に関する情報発信をすることも生産者の大事な役割だと思っています」と石垣さん。

お客様の生の声を聞き、それを反映させることで、消費拡大にもつながっているそう。

街なかから離れているので、お店に来ることが難しい方のために、キッチンカーでの販売や宅配サービスも行っています。

また、きりたんぽ作りやそば打ちの体験、修学旅行生を受け入れて農業体験など、グリーンツーリズムにも積極的に取り組んでいます。

創業当初から減農薬にこだわり、土づくりに力を入れてきました。

コンポストで安全な堆肥を作りながら、土そのものを丈夫にして農薬の量を減らしています。

「化学肥料から堆肥に変えたことで、長い年月を経て、野菜の味にじわじわと効果が出てきています。見栄えより味を大事にしよう、って皆で話しているんですよ」と石垣さんはニッコリ。

陽気な母さんの店の正会員は何度も勉強会を重ね、全員、エコファーマーの認定を受けています。
「商品はキレイでないと売れない」という昔の認識を変え、農産物も加工品も、「安全で安心して食べられるもの」を作ることを大事にしています。

生産者の高齢化、後継者の不在といった、農村が抱える問題を解決していくため、農家同士がつながり集落営農を進めることで、若い人が参加しやすい形を作っています。

また、学校や地域と連携して、地元の食材を生かした商品づくりにも積極的に取り組んでいます。

「1人では何もできないけれど、皆で力を合わせることで地域に貢献することができます。」

消費者に安全・安心な農産物を届け、地域とのつながり力を発揮することで生産者の女性たちもどんどん元気になっていく・・・そんな農家の"母さん"たちの基地となる陽気な母さんの店。

「農家は地球の管理人」という強い信念のもとに、石垣さんはじめ『元気な母さんたち』が想いを込めて育てたお米や野菜を、ぜひご賞味ください。

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